3月4日に片付けなくても大丈夫?「婚期が遅れる」迷信の正体とプロが教えるしまい時

3月4日に片付けなくても大丈夫?「婚期が遅れる」迷信の正体とプロが教えるしまい時 雛人形

「早く片付けないと婚期が遅れる」…この言葉に焦っていませんか?実はこれ、単なる昔の躾(しつけ)の名残なんです。人形屋ホンポの成嶋が、迷信のルーツと、お人形にとって本当にベストな「片付けのタイミング」を解説します。大切なのは日付よりも「お天気」と「心の余裕」ですよ。

「婚期が遅れる」の正体は?

「婚期が遅れる」という迷信のイメージと、それを気にせず笑顔で雛人形を楽しむ現代の親子の対比イラスト
「雛人形を片付けないと婚期が遅れる」という迷信を表す昔の祖母が孫を諭す様子と、現代の母親が笑顔で雛人形とリラックスしている様子を対比させた優しいイラスト。温かみのある安心感のある色調。

「お雛様を早く片付けないと、お嫁に行き遅れる」。この言葉を聞いて不安になるお母様も多いですが、結論から申し上げますと、これは全くの迷信ですのでご安心ください。

…….迷信のルーツは「躾(しつけ)」…….

昔は「片付けがきちんとできない娘は、良いお嫁さんになれない(家事ができない)」という戒めとして、このように言われていました。また、厄を移した人形をいつまでも置いておくのは良くない、という穢れ(けがれ)を払う思想も混ざっています。

現代においては、女性の幸せの形も多様化していますし、何より「焦って雑に片付ける」ことの方が、お人形にとっては良くありません。まずはこの言葉の呪縛から解放されましょう。

日付より「天気」が最優先!

カレンダーの晴れの日マークと、明るい日差しの中で手入れされる雛人形。湿気を避ける重要性を表現。
3月上旬のカレンダーのクローズアップ。雨のマークよりも晴れのマークが強調されている。その横で、明るい自然光の中、羽根はたきで優しく手入れされている雛人形。

では、いつ片付けるのが正解なのでしょうか? 私たち節句人形アドバイザーが声を大にしてお伝えしたいのは、「カレンダーよりも天気予報を見てください」ということです。

…….大敵は「湿気」です…….

雛人形の素材(絹、木、和紙など)は湿気を嫌います。もし3月3日や4日が雨天だった場合、無理に片付けると湿気ごと箱に閉じ込めることになり、カビやシミの原因になります。

理想的なのは、**「啓蟄(けいちつ・3月6日頃)以降の、良く晴れて乾燥した日」**です。湿度が低い日の日中に、少し風を通してからしまうのが、お人形を長持ちさせる秘訣です。1週間や2週間遅れても全く問題ありません。

4月まで飾る?旧暦と地域差

日本地図で見るひな祭りの地域差(旧暦)と、リビングに馴染むモダンな雛人形のディスプレイ
日本地図上に、地域によって異なるひな祭りの日程(3月3日と4月3日)を示すアイコン。手前には、モダンなリビングルームに「ひなまり」のようなコンパクトな人形がインテリアとしておしゃれに飾られている様子。

「3月3日を過ぎたらすぐ片付ける」というのは、実は全国共通のルールではありません。地域によっては、旧暦の桃の節句(現在の4月3日頃)まで飾る風習が根強く残っています。

…….地域やライフスタイルに合わせて…….

長野県や東北地方など、雪深い地域では4月にお祝いすることも一般的です。また、最近の「ひなまり」のようなインテリア性の高い木目込み人形や、モダンなケース飾りであれば、春のインテリアとして3月いっぱいは飾って楽しまれるお客様も増えています。

「季節のしつらえ」として楽しむのであれば、厳密なルールに縛られすぎず、ご家族が心地よい期間飾っていただくのが一番のエンリッチメント(心の豊かさ)だと私は考えています。

来年も美しく。プロの収納術

白手袋をして雛人形の顔を和紙で包む様子と、防虫剤を正しく配置した収納箱の中身
白手袋をした手が、雛人形の顔を柔らかい和紙で優しく包んでいる詳細な解説写真。収納箱の隅には、人形に触れないように防虫剤が置かれている。

来年も綺麗なお顔に出会うために、片付ける際のちょっとしたコツをお伝えします。ここだけ押さえれば大丈夫です。

…….これだけは守りたい3点…….

1. **手袋をする**: 手の脂はシミの原因になります。必ず白手袋を着用しましょう。

2. **顔紙(かおがみ)を巻く**: お顔をティッシュや専用の和紙で優しく包み、保護します。

3. **防虫剤は少なめに**: 人形用防虫剤を使用しますが、直接人形に触れないように隅に入れます。また、異なる種類の防虫剤を混ぜると化学反応で溶けることがあるので注意してください。

これらを丁寧に行う時間を「お子様の成長を感謝する時間」と捉えてみてください。

片付けた後のスペース活用法

雛人形を片付けた後のスペースに、桜の花や五月人形を飾って楽しむ季節のインテリア提案
ビフォーアフターの構図。左:雛人形があった空いたスペース。右:同じスペースに桜の生け花、子供の絵、または五月人形が飾られ、季節の移ろいをシームレスに表現している様子。

雛人形を片付けた後、ぽっかり空いたスペースを見て少し寂しくなる…というお声もよく聞きます。そこで、その場所を次の季節の楽しみに変える提案です。

…….次の主役は?…….

もし男の子のご兄弟がいらっしゃるなら、次は五月人形の出番ですね。早めに出して長く楽しむのが最近のトレンドです。

また、女の子だけのご家庭でも、そこに「つるし雛」だけを残して春の間飾っておいたり、桜のアートフラワーや、お子様が描いた春の絵を飾ったりするのも素敵です。

人形屋ホンポでは、雛人形の台座や屏風をそのまま活用して、季節の小物を飾る「見立て」の楽しみ方もご提案しています。お人形がいなくなっても、そこを「家族のギャラリー」として活用し続けてみてください。

タイトルとURLをコピーしました