雛人形の季節になると、「どれくらいの価格が一般的なの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。SNSや通販サイトなどで探してみても、数万円から数十万円までと価格の幅が広く、初めて選ぶ方にとっては基準が分かりづらいのが正直なところです。
この記事では、節句人形アドバイザーの資格を持つ「人形屋ホンポ」代表・成嶋祐介が、主な雛人形のタイプ別の価格帯と、それぞれの選び方のポイントをやさしく解説します。
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主な3タイプの価格帯と特徴
雛人形の価格を比較する前に、雛人形のタイプを知っておくと選びやすくなります。人形の数やサイズ、種類によって相場が変わってくるので、予算を立てる際の参考になります。
段飾り:15万〜50万円
七段飾りに代表される「段飾り」は、男雛と女雛に加えて三人官女・五人囃子・随身・仕丁などが勢揃いする、豪華で伝統的なスタイルです。人形の数が多く、それぞれに丁寧な仕立てが求められるため、製作の手間もかかり、価格も高めになります。
衣装には絹や金襴(きんらん)といった高級素材が使われることが多く、細部の作り込みによっても価格に差が出ます。
飾る際は床の間や広めのリビングに置くのがおすすめ。近年は、収納箱を兼ねた飾り台を採用した省スペースモデルもあり、設置や片付けがしやすい工夫がされています。
平飾り・親王飾り:3万〜15万円
男雛と女雛をメインに、屏風や雪洞(ぼんぼり)などの飾りを添えた「平飾り」は、コンパクトで飾りやすいタイプです。
奥行きが30cm前後のものが多く、リビングボードやカウンターの上にも飾れることから、現代の住まいに合ったスタイルとして人気があります。
飾る楽しさと片付けやすさのバランスが良いため、初節句での購入にもおすすめのスタイルです。
ケース飾り:5万〜15万円
ガラスやアクリルのケースに人形や道具を収めた「ケース飾り」は、ホコリや湿気から守りやすく、お手入れがしやすいのが特徴です。
ケースの中にはLED照明やオルゴールが付いた華やかなタイプもあり、見た目の華やかさを演出できます。
雛人形の価格に影響する5つのポイント
雛人形の価格は、見た目だけではわかりにくい部分もあります。
たとえ同じ段数やサイズでも、使用している素材や作り方によって大きく変わることも。ここでは、価格に関係する代表的なポイントを5つご紹介します。購入前に比べるときの参考にしてみてくださいね。
- 人形や飾り段の数:人形が多かったり、段が多い飾りは作る手間がかかるぶん価格が高くなります。
- 衣装や使われている素材:絹や西陣織、本金箔などの高級素材を使ったものは、上質な仕上がりで価格も上がります。
- 作家やブランド:久月(きゅうげつ)や吉徳(よしとく)などの老舗や、著名な人形作家が手がけたものは、品質と信頼感のある分、価格にも反映されます。
- 作り方・製造の工程:一つひとつ丁寧に国内で作られた雛人形は、手間と時間がかかるため、品質も高く価格もやや上がります。
- 付属品や飾りの内容:蒔絵(まきえ)の台座やLEDライト入りの雪洞(ぼんぼり)、桐の収納箱など、細部にこだわったセットは価格に差が出ます。
雛人形の相場を踏まえた選び方のポイント
上記の相場をふまえながら、長く満足できる雛人形を選ぶためのポイントを紹介します。
予算と使い勝手のバランスを考える
雛人形は一度買えば長く使うもの。大切なのは、価格だけでなく「どんなふうに使いたいか」をイメージして選ぶことです。
「できれば毎年しっかり飾って、将来は子どもに引き継げたらいいな…」という方には、品質重視のタイプもおすすめ。絹の衣装や伝統的な作りの人形は、しっかりとしたつくりで長く飾れます。初期費用は少し高めでも、長い目で見ると納得のお買い物になることもあります。
一方で、「出し入れを気軽にしたい」「頻繁に場所を移動させたい」というご家庭には、軽くてコンパクトなタイプがぴったり。扱いやすく、忙しい中でも負担なく飾れます。

● 小さめの雛人形は収納や取り扱いがラク
● 予算だけでなく「使い方」を想像すると後悔が少ないです
価格以外にもチェックしたいお店選び
ネットや店頭で探していると、同じような商品でも価格に差があることがありますよね。これは、セールやキャンペーンの有無、販売店の方針などが影響しています。
「ちょっと安いけど大丈夫かな…」と迷ったときは、商品の説明だけでなく、レビューやショップの対応もチェックしてみましょう。
また、購入後に「修理対応がありますか?」「飾り台の部品が壊れたら?」といった相談ができるお店は、長く使ううえでも安心感があります。

● レビューを参考にして信頼できるショップを選びましょう
伝統重視か、インテリア重視か
「昔ながらの雛人形らしさがいい」「祖父母からの贈り物だから伝統的なものがいい」という方もいれば、「リビングにも合うモダンなデザインが欲しい」という方も増えています。
最近は、「雛人形 モダン」「雛人形 シンプル」など、北欧風やナチュラルテイストのおしゃれな雛人形も登場しています。おうちの雰囲気や好みに合わせて選ぶのも楽しいですね。

まとめ|雛人形の相場を知って、納得のいく一品を
「雛人形 相場」で調べてみると、数万円から数十万円まで、価格の幅はとても広いことがわかります。だからこそ、価格だけにとらわれず、「自分たちにとってちょうどよい雛人形とは?」を考えることが大切です。
相場を参考にしながら、ご家庭にぴったりの一品を見つけてくださいね。





