こんにちは、成嶋祐介です。初節句、おめでとうございます。「豪華な飾りへの憧れ」と「マンションでの収納事情」。この狭間で悩む親御様は本当に多いのです。しかし現代の名匠たちは、その両方の願いを叶える素晴らしい雛人形を作り出しています。プロの視点で「納得の選び方」を紐解きましょう。
「大きさ」か「豪華さ」か。現代の雛人形選びのリアル
多くの親御様が直面する最初の壁、それは「飾る場所がない」という現実です。しかし、心の中では「娘には立派なものを」と願う。この葛藤は、愛情の深さゆえです。
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現代の雛人形は、この「矛盾」を解決するために進化してきました。小さくても、職人の技が凝縮された「本物」が存在します。サイズに妥協するのではなく、密度で選ぶ時代なのです。まずは「置けるサイズ」を測り、その中で「最も心がときめく質」を探すことから始めましょう。
コンパクトでも妥協なし。「親王飾り」という選択肢
お殿様とお姫様だけの「親王飾り」。かつては寂しいと言われることもありましたが、今は主流のスタイルです。
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なぜなら、人形一体あたりの質を極限まで高められるからです。お顔の表情、着物の重ね(十二単)の美しさ、西陣織や友禅染などの素材。場所を取らない分、最高級の衣装を着せたお雛様を選ぶ方が増えています。シンプルだからこそ、職人の手仕事と素材の良さが際立つのです。
やはり一番大事なのはお人形ですね。なので予算を抑えながらもしっかりといいところに予算を振るという考え方が出てきています。人形ケースに入っているお人形は裾やシルエットのラインをあまり作りこまないことからお値段はぐっとお安くなります。手に持って触ってしっとりとくるというのもまた一つの醍醐味なのです。
片付けの悩みも解消。「収納飾り」の賢い機能美
「飾る時は豪華に、しまう時はコンパクトに」。これを叶えるのが「収納飾り」です。飾り台がそのまま収納箱になる設計は、現代の住宅事情にフィットした発明と言えるでしょう。
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箱の中に人形やお道具を全て収められるので、部品の紛失の心配も少なく、翌年の出し入れもスムーズです。オフシーズンはクローゼットにすっきり収まる機能性と、飾った時の高さを出せる美しさを兼ね備えた、忙しい現代のパパ・ママの強い味方です。
豪華に屏風が少し背の高いものは収納箱の蓋の上に、そうでないものはすべてその中に収まってしまいます。飾ったときに比べて収納箱に入ったときはやや半分という形になります。
豪華に飾ってコンパクトにしまうという、現代のニーズを凝縮した飾り方です。
それでも「伝統」を。三段飾りが選ばれる理由
それでもやはり、三人官女まで揃った三段飾りの華やかさは格別です。「お雛様といえばこれ」という原風景を大切にしたい方へ。
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最近では、横幅を抑えつつ高さを活かしたコンパクトな三段飾りも登場しています。お子様が成長した時、一緒に人形を飾る楽しみ、それぞれの人形の役割や物語を語り合う時間は、段飾りならではの豊かさです。スペースが許すなら、この「体験」を贈ることも素晴らしい選択です。
極限までサイズを削って、間口50cm、45cmというような超コンパクト三段飾りも出てきています。お子さんの出生率が下がることで、長女の割合が多くなり、お雛様だけでなく、三人官女まで欲しいというニーズも増えてきています。
【補足】最後に大切にしてほしい「直感」という基準
サイズや形式、価格の比較も大切ですが、最後はぜひ「お顔」を見て決めてください。
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毎日眺めて、ふと目が合った時に「可愛いな」「守ってくれそうだな」と思えるか。それが、お子様にとっての一生のお守りになる条件です。スペック比較に疲れたら、一度深呼吸して、静かに人形と向き合ってみてください。理屈を超えて心が動く瞬間、それが運命の出会いです。
たまにお人形を見て顔が怖いという方がいますが、実は雛人形に関してはこれは正解と言われています。西洋などの磁気のお人形などは、右上を向いていたり、左下を見ていたり、私たちに目線を一切合わせません。なので怖くないのです。一方、雛人形は正面を私たちの顔の方を見ています。これは目を見て気を移していく。気を移していくことで、お子様の身代わりに厄を負ってもらうという考え方から出ています。
気持ちが通じれば通じるほど、ふとした瞬間に、あれ、笑った?あれ、こっち見た?というような感情が伝わり始め、それによって一瞬怖いとさえも思えてくるわけです。もし怖いと思ったときは、その気が通じている私に合った特別なお雛様ということになります。


