「2人目の女の子にも雛人形って必要なの?」「姉の人形を使い回すのはダメ?」そんな悩みを持つご家庭も多いですよね。
この記事では、節句人形アドバイザーの資格を持つ「人形屋ホンポ」代表・成嶋祐介が、雛人形を新たに用意するべきか、共有する場合の注意点や家庭ごとの対応事例などをやさしく解説します。
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雛人形は2人目にも必要?
本来、雛人形は「その子のお守り」として贈られるもの。昔からの風習では、災いや厄を人形に託して引き受けてもらうという意味合いがありました。そのため、女の子が生まれるたびに、一人ひとりに雛人形を用意するのが基本とされてきました。
この考え方では、長女・次女それぞれに「自分だけの雛人形」があることが、家族の愛情や願いを目に見えるかたちで示すものともいえます。
ただし、現代では住まいや家族のスタイルも多様化しています。マンションや賃貸住宅など、限られたスペースでの暮らしを考えると、2セット分の人形を飾ることが難しいケースも増えています。
また、経済的な理由や贈る側の負担を考えて、「1人目だけフルセットを用意し、2人目は共有に」「2人目にはコンパクトなものや小物を贈る」といった柔軟な対応をとるご家庭も少なくありません。
2人目にも贈るなら、選び方のポイント
2人目のお子さまにも雛人形を贈る場合、スペースやデザイン、費用などをしっかり考えて選ぶことが大切です。ここでは、特に意識したい4つのポイントをご紹介します。
サイズ|飾る場所・収納を考慮して
姉妹分で2セットになると、飾るスペースや収納場所が課題になることもあります。マンション住まいや手狭なお部屋の場合は、コンパクトタイプや平飾りがおすすめです。
毎年無理なく飾れるサイズを選ぶことで、節句のたびに楽しめる習慣として続けやすくなります。
デザイン|姉妹の個性や統一感を意識
2つの雛人形を並べて飾ることを考えるなら、色味や雰囲気をそろえると統一感が出て華やかになります。
反対に、「姉妹それぞれの個性を大切にしたい」と思う方は、木目込みやモダンタイプなど異なるテイストを選ぶのも素敵です。人形の表情や衣装の色合いで、お子さまの雰囲気に合ったものを選ぶ楽しさもあります。
費用|家庭の状況に合った予算で
雛人形は価格帯も幅広く、高価なものでは数十万円する場合もあります。1人目と同じくらいの価格にするか、少し抑えるかなど、ご家庭の事情や希望に合わせてバランスを取りましょう。
姉と同等のものを用意することで公平感が出る一方、サイズを抑えて価格を調整するご家庭も多く見られます。
送り手への配慮|贈る側とも相談を
「1人目は母方の祖父母が用意してくれたけれど、2人目はどうする?」と悩む方も少なくありません。地域や家の習慣により異なるものの、最近では両家で費用を分担したり、2人目は父方が贈るなど、柔軟な対応も増えています。
高価な贈り物だからこそ、事前に贈る側と受け取る側でしっかり話し合い、無理のない形で思いを込められるようにしたいですね。
共有する場合の心配とフォロー方法
気持ちのケアが大切
小さなうちは気にしなくても、成長とともに「お姉ちゃんだけ雛人形があるのはずるい」と感じることもあります。
そんなときは、「これは姉妹を一緒に守ってくれるお人形だよ」「2人で大事に飾ろうね」と声かけや体験を通じて特別感を共有しましょう。
2人目以降におすすめな小物
姉妹で雛人形を共有するご家庭でも、「あなたのためのものだよ」と伝えられるような、小さくても気持ちのこもった贈り物を添えると、特別感が生まれます。
ここでは、2人目以降のお子さまへの贈り物として人気の高い小物を2つご紹介します。
つるし飾り|一つひとつに願いを込めた華やかな贈り物
つるし雛(つるし飾り)は、雛人形の脇に吊るして飾る伝統的な節句飾りです。小さな人形や動物、植物の飾りが連なり、それぞれに健康・長寿・厄除け・家族の幸せといった願いが込められています。
春物のはぎれやちりめん素材で仕立てられた飾りは、手仕事ならではの温かみがあり、お部屋の中を華やかに彩ってくれます。見た目にもかわいらしく、赤ちゃんへの贈り物としても非常に人気です。
2人目のお子さま専用の飾りとしてつるし雛を贈れば、「お姉ちゃんの雛人形と一緒に飾る自分だけのもの」として、特別な意味を持たせることができます。
名前旗|その子だけの特別感を演出
お子さまの名前を刺繍した名前旗は、雛人形と一緒に飾ることで「この飾りはあなたのためのものだよ」という気持ちを視覚的に伝えられるアイテムです。
節句の時期はもちろん、お宮参りやお食い初め、七五三などの行事にも活用できるため、実用性も兼ね備えた贈り物として人気です。
華やかな金糸や桜の刺繍などをあしらった名前旗は、飾るだけで空間がぱっと明るくなり、節句の雰囲気をより盛り上げてくれます。
まとめ|大切なのは「家族で納得する選び方」
2人目以降の女の子の雛人形には、正解やルールはありません。家族の状況や気持ちをすり合わせて、子どもの成長を祝う“あたたかな気持ち”を大切にすることが一番です。
どんなスタイルでも、「大切に育ってほしい」という気持ちは共通です。姉妹で仲良く雛人形を囲みながら、笑顔あふれるひな祭りを迎えましょう。
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