初節句を迎えるにあたって、「お部屋になじむ優しい雰囲気の五月人形を選びたい」と考える方が増えています。
そんな中、人気が高まっているのが木のぬくもりを感じられる「木製」の五月人形。自然素材ならではの優しさとナチュラルな見た目が、和洋どちらの住まいにもよく合います。
この記事では、節句人形アドバイザーの資格を持つ「人形屋ホンポ」代表・成嶋祐介が、木製五月人形の特徴や魅力、選ぶ際のポイントをやさしく解説します。
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木製の五月人形とは?自然素材ならではの風合い
かつての五月人形といえば、金属の兜や鮮やかな布で作られた甲冑など、重厚で豪華なデザインが主流でした。飾りも大きく、床の間など和室にどっしりと構えるような存在感のある飾り方が一般的でした。
しかし近年では、住まいの洋室化や核家族化の影響で、「大きくて豪華」よりも「飾りやすくておしゃれ」な節句飾りを求める声が増えています。その流れの中で注目されているのが、木のぬくもりを活かした五月人形です。
木製の五月人形とは、兜や武者の形を木材で表現し、塗装や金属パーツを最小限に抑えた、ナチュラルで落ち着いた節句飾りのことです。
使用される木材は、ヒノキ・桐・欅(けやき)・ブナなどさまざまで、木そのものの質感や色味を活かした仕上げが特徴です。中には無垢材やオイル仕上げで、年月とともに風合いが深まるタイプもあります。

木製の五月人形のメリットと魅力
ナチュラルでおしゃれな見た目
木製の五月人形は、木目や色合いが自然のまま活かされているため、見た目にとても温かみがあります。
モダンインテリアや北欧風のお部屋にもなじみやすく、「和」の伝統と「洋」の暮らしを両立できる節句飾りとして注目されています。
金属や布製の兜に比べて圧迫感がなく、リビングや玄関にさりげなく飾れる点も支持されている理由のひとつです。
安全で扱いやすい
木製ならではの軽さと丸みのあるデザインは、子育て中の家庭にも安心感があります。
金属パーツが少なく、角がとがっていないため、小さなお子さまがいるご家庭でも取り扱いやすくなっています。
また、軽量で出し入れもしやすいため、収納や飾りつけもスムーズ。毎年の準備が億劫にならず、気軽に楽しめる点も魅力です。
経年変化で味わいが深まる
オイル仕上げや無垢材の五月人形は、年月とともに少しずつ風合いや色味が変化します。
子どもの成長とともに、人形も「育つ」ような感覚で、一緒に時を重ねていけるのが木製ならではの魅力です。
おじいちゃん・おばあちゃんからの贈り物としても人気で、「ずっと飾っていたい」と思えるアイテムになります。
木目の個性が世界にひとつだけの表情を生む
自然素材である木は、同じ樹種でも木目の出方や色合いに個体差があります。
つまり、まったく同じ木製五月人形はひとつとして存在せず、「世界に一つだけの節句飾り」として特別な存在になります。
一点一点の表情の違いを楽しむことで、家族にとってより思い入れのある人形になるはずです。
五月人形 木製の飾り方・保管のポイント
飾るタイミングと置き場所
4月上旬〜中旬に飾り始めるのが一般的。直射日光や湿気は避けて、風通しのよい場所に置くようにしましょう。インテリアとしても見映えのする場所がおすすめです。
お手入れのしかた
飾っている間は、やわらかい布やブラシで軽くホコリを払うだけでOK。片付けるときは乾燥剤や防虫剤を一緒に収納し、風通しのよい場所で保管しましょう。
木製五月人形をもっと楽しむ飾り方アイデア
和雑貨や季節の花と一緒に
木の雰囲気と相性が良いのは、和紙・ドライフラワー・竹かごなどのナチュラル素材。ちょっとした工夫で、和モダンなおしゃれ空間に仕上がります。
子どもと一緒に飾る楽しみ
軽くて扱いやすいため、小さなお子さんでも飾りつけに参加できます。「自分で飾った」体験は、節句の思い出として残ります。
SNSや記念写真でも人気
木製ならではのナチュラルな見た目は写真映えも抜群。ミニ鯉のぼりや和菓子を添えて、思い出の一枚を残してみてはいかがでしょうか。
まとめ|五月人形 木製でやさしい節句を
木のぬくもりが感じられる五月人形は、見た目のやさしさだけでなく、扱いやすさやインテリア性など、さまざまな魅力があります。
無垢材や自然塗装を活かしたものは、使い込むごとに味わいが深まり、家族の思い出が重なっていく節句飾りになります。
「伝統は守りつつ、インテリアにもなじむものを」と考えている方は、ぜひ木製の五月人形を選択肢に加えてみてください。






