節句人形アドバイザーの成嶋です。「マンションの玄関しか飾る場所がない」というご相談、非常に多いんです。実は、靴箱の棚(奥行き約25cm)こそ、家の顔としてお雛様を飾るのに最適なステージ。今回は、その限られたスペースを「エンリッチメント(豊かさ)」に変える、プロ厳選のコンパクト雛をご紹介します。
25cmの壁を越える!サイズ選びの基礎
賃貸マンションやアパートの標準的なシューズボックス(下駄箱)の天板奥行きは30cm前後が多いですが、壁の巾木や手前の余裕を考慮すると、実際に安定して飾れる「有効寸法」は25cm程度が一般的です。
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玄関は人の動線が激しい場所。台座が棚からはみ出していると、服や鞄が引っかかり転倒のリスクがあり大変危険です。まずは定規でご自宅の玄関棚の奥行きを測ってみてください。「奥行き25cm以下」これこそが、玄関飾りの絶対条件です。横幅よりも、まずはこの奥行きをクリアすることが、美しいディスプレイの第一歩となります。
埃に強い!「ケース飾り」の実用美
玄関は外からの埃や花粉が最も入り込みやすい場所です。大切なお人形を汚れから守るため、玄関飾りには「ケース入り」が合理的です。
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特に弊社が展開する「NINGYOYA PREMIUM」シリーズのようなアクリルケースは、ガラスに比べて軽量で割れにくいため、万が一の地震の際も安心です。また、従来のケースに見られる太い柱をなくしたパノラマタイプなら、圧迫感がなく、限られたスペースでも広がりを感じられます。お手入れはケースをさっと拭くだけ。忙しい現代のご家庭に、美しさと実用性(プロキュアメント)の両方を提供します。
癒やしの極小雛「ひなまり」の魅力
「ケースだと少し無機質かも」と感じる方には、私が監修する自社ブランド「ひなまり」の木目込み人形をご提案します。
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木目込み人形は、衣裳着人形に比べて構造的に型崩れしにくく、非常にコンパクトに作れるのが特徴です。奥行き20cm前後の台座にも余裕で収まります。何より、「ひなまり」は現代のインテリアに馴染む淡い色合いのテキスタイルと、見る人をほっとさせる優しいお顔が特徴。「ただいま」と帰宅した瞬間、その愛らしい姿に心が解きほぐされる。これこそが、私たちが提供したい「エンリッチメント(心の豊かさ)」なのです。
狭くても華やかに見せる「抜け感」演出
奥行き25cmの世界では、詰め込みすぎは厳禁です。お道具をフルセットで並べるよりも、あえて「引き算」をすることが洗練されて見えるコツです。
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例えば、屏風を背の低いタイプにする、あるいは屏風を置かずに壁の余白を活かすことで「抜け感」が生まれます。また、玄関は照明が暗くなりがちなので、電池式の小さな雪洞(ぼんぼり)やLEDライト付きの飾り台を選ぶと、お人形が美しく浮かび上がります。「飾る」のではなく「空間を彩る」意識を持つと、狭い玄関が素敵なギャラリーに変わりますよ。
【補足】収納時も「限界コンパクト」
賃貸住まいで忘れてはならないのが「収納場所」です。今回ご紹介したコンパクト雛やケース飾りは、飾る時だけでなく、しまう時も非常に優秀です。
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多くのコンパクトタイプは、飾り台自体が収納箱になっていたり、片手で持てるサイズの箱一つに全て収まるよう設計されています。クローゼットの上棚や、ベッド下の隙間など、ちょっとしたスペースに保管可能。来年の節句まで、生活空間を圧迫せずに静かに眠ってくれる。これもまた、現代の雛人形選びにおいて重要なスペックの一つです。


