ひな祭りが近づくと「雛人形ってどう飾るの?」という声をよく聞きます。特に初めて飾る方にとっては、段の並べ方や飾る場所に悩むこともありますよね。
この記事では、節句人形アドバイザーの資格を持つ「人形屋ホンポ」代表・成嶋祐介が、段飾りの基本配置やコンパクト雛人形の飾り方、置き場所の選び方、注意点まで丁寧に解説します。春を迎える準備として、雛人形を素敵に飾ってみませんか?
雛人形の飾り方|段飾りの順番を知ろう
本格的な雛人形といえば、段飾り。七段飾りや五段飾りには、それぞれに意味のある人形や道具が並びます。
最上段|内裏雛(だいりびな)
ひな壇の主役となる男雛・女雛を飾ります。地域によって左右が異なりますが、一般的には向かって左に男雛、右に女雛を配置します。
二段目|三人官女(さんにんかんじょ)
宮中に仕える女性たちで、中央の官女が座り、左右の2人が立っていることが多いです。華やかさを演出する大切な段です。
三段目以降の構成
- 三段目:五人囃子(笛や太鼓などの楽器を持つ人たち)
- 四段目:随身(右大臣・左大臣など護衛役)
- 五段目:仕丁(しちょう)や衛士などの従者
- 六・七段目:嫁入り道具や生活用品(重箱・箪笥など)
【おすすめ商品】コンパクトで飾りやすい!段飾り雛人形
吉祥文様をだいたんに配した衣裳を着せ付けたお殿様・お姫様に加え、三人官女もセットにした豪華な五人飾り。コンパクトな引出式の収納飾りで、お片付けの手間もかかりません。
雛人形の飾り方の注意点
雛人形を飾るときは「どの段に何を並べるか」だけでなく、飾る環境や扱い方にも気をつけることで、長く美しい状態を保つことができます。以下のポイントを参考に、大切なお人形を守ってあげましょう。
直射日光・湿気を避けよう
人形の顔や衣装はとても繊細。直射日光に長時間さらされると、色あせや変色の原因になります。また、湿度が高いとカビやシミができてしまうことも。日差しの強い窓際は避け、乾燥剤や除湿器を併用するのがおすすめです。
埃対策も忘れずに
飾っている間は、思っている以上に埃が積もりやすいもの。柔らかい刷毛や羽はたきで、衣装や小物の埃を軽く払ってあげましょう。力を入れすぎると繊維が抜けたり破損することもあるので、やさしく扱ってください。
小さなお子さまやペットに注意
雛人形は壊れやすく、小さな部品も多いため、好奇心旺盛なお子さまやペットがいるご家庭では飾る場所に工夫が必要です。手の届かない棚の上や、囲いのある場所に飾ると安心です。
雛人形の飾り方|コンパクトタイプの活用
最近では、スペースや収納の都合を考えて「コンパクトな雛人形」が選ばれることが増えています。飾りやすさ・片付けやすさ・インテリア性が評価され、若い世代を中心に人気です。
ケース飾りは手間が少なく初心者にも安心
ガラスやアクリルのケースに入ったタイプは、ホコリや汚れを防ぎながら飾れるため、お手入れも最小限です。飾る場所にそのまま置くだけで完成するので、時間がない方や収納に悩む方にもおすすめです。
【おすすめ商品】手間なくおしゃれ!ケース飾り雛人形
きれいな木肌をいかした、コンパクトなケース飾り。アクリル製の透明な背景には、細やかな牡丹に麻の葉の絵柄を配し、どのようなタイプのお部屋ともよく調和するモダンな印象。
平飾り・卓上タイプなら自由なアレンジも
台座の上に人形を並べる「平飾り」タイプや、小型の立ち雛などは、リビングや棚の上、玄関などに飾りやすく、季節の草花や和雑貨と組み合わせてアレンジも楽しめます。住まいの雰囲気に合わせて選びたい方にぴったりです。
【おすすめ商品】省スペースでも華やか!平飾り雛人形
京友禅の本染めで仕立てた衣裳は、気品あふれる紫色を基調に、咲き誇る梅が華やかな仕上がりの平飾り。限られたスペースにも彩りを与える、高級感のある一品です。
手作り感や温もりのある木製タイプも人気
ナチュラル素材の木製雛人形は、北欧インテリアやシンプルモダンな部屋にも合いやすく、出し入れも簡単で収納スペースもコンパクト。忙しい共働き家庭にも取り入れやすいアイテムです。
【おすすめ商品】木製でお部屋と調和する!木目込み雛人形
木製の道具と飾り台で、和洋どんなイメージのお部屋にも調和する、可愛らしい二段飾り。今後販売予定の三人官女など、飾りながら付け足して進化させていくこともできます。
雛人形を飾る場所はどこがいい?
雛人形は「どこに飾ればいいのか」も悩みどころのひとつ。見映えだけでなく、日当たり・湿気・安全性なども考慮するのがポイントです。
リビングや和室は定番の人気スポット
家族が集まる場所に飾ることで、雛人形の存在感が際立ちます。とくに和室は落ち着いた雰囲気で雛人形と相性がよく、畳や床の間があるご家庭ならぴったりです。
玄関や廊下もおすすめ
お客様の目に触れる玄関は、華やかなおもてなしの空間にもなります。ただし、湿気や温度変化がある場所では防湿・防虫対策をしっかりとしましょう。
飾り棚やニッチを活用しておしゃれに
卓上サイズやつるし飾りなどは、テレビボード上や本棚、ニッチ(壁のくぼみ)などを活用してディスプレイ感覚で楽しめます。限られたスペースでも季節感を演出できるのが魅力です。
方角にこだわりすぎなくてOK
東や南向きが縁起が良いとも言われますが、実際には直射日光や湿気を避けられる場所がベスト。家の間取りや暮らしやすさを重視して大丈夫です。
飾ったあとの楽しみ方
SNSや写真で思い出づくり
ひな祭りの記念に、雛人形と一緒に写真を撮る方も増えています。季節の花や和雑貨を添えて、華やかな写真を残しましょう。
子どもと一緒に飾りつけ
飾りながら「これはお雛さま」「これはお道具だよ」と教えることで、日本の伝統行事を楽しく伝えられます。
片付けと保管方法のポイント
「ひな祭りが終わったら早く片付けないとお嫁に行き遅れる」なんて言葉を耳にする方も多いかもしれません。実際には、湿気の少ない晴れた日を選んで片付けるのが一番大切です。
片付けのタイミングは天候重視で
3月3日が過ぎたあと、雨の日や湿度の高い日は避けて、天気のよい日に片付けるのがベストです。カビや虫食いを防ぐため、しっかり乾燥させてから収納しましょう。
お手入れの手順
- 柔らかい布や刷毛で埃を落とす
- 人形や小物は通気性のある布で包む
- 防虫剤・乾燥剤を添えて収納する
パーツごとに写真を撮っておくと、翌年飾る際にもスムーズです。収納箱にラベルをつけるのもおすすめです。
保管場所の選び方
押し入れやクローゼットでも、高温多湿を避けて風通しの良い場所が適しています。床に直接置かず、スノコや棚の上に保管すると湿気から守れます。

まとめ
雛人形の飾り方は、段飾りの並べ方や人形の配置だけでなく、飾る場所の環境や安全面、飾ったあとの片付け・保管方法まで、気を配りたいポイントがたくさんあります。
また、飾るだけでなく子どもと一緒に飾りつけをしたり、写真を撮ったりと、思い出を残す楽しみ方も大切にしたいですね。


