「五月人形」と聞くと、兜や鎧を飾るイメージがありますよね。その中でも、ひときわ異彩を放つのが直江兼続の兜です。
兜の前立てに「愛」の一文字を掲げたデザインは、勇ましさと優しさが融合した独自の存在感を放っています。
この記事では、節句人形アドバイザーの資格を持つ「人形屋ホンポ」代表・成嶋祐介が、直江兼続の人物像から、兜の意味や五月人形として選ばれる理由、選び方のポイントまでをやさしく解説します。
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直江兼続の兜とは?“愛”を掲げた戦国武将
直江兼続(なおえ かねつぐ)は、戦国時代に上杉家の家臣として活躍した名将で、上杉景勝の側近として重用されました。
彼は、知略と忠義に優れ、戦だけでなく内政や外交にも尽力。とくに「義」を重んじる姿勢と人望の厚さから、多くの家臣に慕われていたといわれています。
そんな兼続が着用したとされる兜には、なんと「愛」の文字が大きく掲げられています。一見すると戦場には不釣り合いなようにも思えますが、これは深い意味をもつものだったのです。
五月人形としての直江兼続の兜の魅力

男の子の初節句に飾る五月人形には、「健やかに育ってほしい」「強く優しくあってほしい」という願いが込められます。
直江兼続の兜は、そうした願いにぴったりのモチーフ。武将らしい力強さとともに、慈しみの心を持つ人物であることが兜に表現されているからです。
金色で力強く刻まれた「愛」の文字は、見た目のインパクトだけでなく、意味の深さでも注目されており、
- 家族や仲間を大切にする心を育てたい
- 強く、思いやりのある子に育ってほしい
そんな想いを込めて選ばれるご家庭が多いのも納得です。
直江兼続の兜のデザインと特徴
最大の特徴は、前立てに刻まれた「愛」の一文字。その文字は金色に輝き、黒塗りの本体とのコントラストで強く引き立ちます。
一般的な鍬形の兜とは異なり、そのデザイン性の高さからも非常に人気があります。
また、この「愛」の文字には諸説あり、「愛染明王(あいぜんみょうおう)」への信仰や、民への慈愛を表したものともいわれています。
単に戦の道具としてではなく、心の在り方をも象徴した兜であることが、直江兼続の魅力をより際立たせています。
五月人形としての選び方と飾り方
直江兼続の兜を選ぶ際は、デザインだけでなく飾る場所やサイズ、タイプにも注目してみましょう。
サイズと飾るスペースで選ぶ
リビングや玄関などのスペースに合わせて、コンパクトな兜飾りが人気です。鎧飾りを選ぶ場合は、それなりのスペースが必要になります。
ケース入り or 平飾り
ケース入りはホコリが入りにくく、お手入れも簡単。小さなお子さまがいるご家庭にも安心です。
平飾りは自由にレイアウトできる楽しさがあり、雰囲気を変えて楽しみたい方におすすめです。
セット内容や「愛」の大きさ
同じ直江兼続の兜でも、「愛」の文字の大きさや位置、金の彩色、付属の弓太刀や屏風の有無など、商品ごとに違いがあります。
飾る時期とお手入れのポイント
五月人形は、4月上旬〜中旬に飾るのが一般的です。早めに飾れば、写真撮影やお祝いの準備にも余裕が持てます。
- 直射日光や湿気を避けた場所に飾る
- ホコリはやわらかい布で軽く拭き取る
- 片付け時は除湿剤・防虫剤と一緒に保管する
長く大切に使うためにも、年に一度のメンテナンスを忘れずに行いましょう。
節句を楽しむ!家族の思い出づくりに
直江兼続の兜は、写真映えするデザインでもあります。端午の節句ならではの和菓子や鯉のぼりと一緒に飾り、写真を撮れば思い出に残る一日になります。
飾り付けをお子さまと一緒に楽しむのも素敵な時間です。自分のための人形として、自然と愛着が湧いてくることでしょう。
まとめ|“愛”と強さを伝える五月人形
直江兼続の兜は、ただ勇ましいだけでなく、「愛する心」「思いやり」「義」を大切にする武将の想いが込められた特別な五月人形です。
初節句という大切な節目に、“愛”の文字を掲げた兜を通して、ご家族の願いや想いを形にしてみてはいかがでしょうか。
直江兼続の兜のほかにも、さまざまな武将やデザインの五月人形があります。
ご家族の想いやインテリアに合った節句飾りを選びたい方は、「五月人形一覧」もぜひチェックしてみてください。
他の武将をテーマにした兜飾りについてもご紹介しています。いろいろな武将の魅力も参考にしながらお気に入りの一品を選んでみてください。


