5月5日の端午の節句には、男の子の健やかな成長と安全を願って「兜 鎧」を飾る風習があります。武士の象徴ともいえるこの二つの武具は、ただ格好いいだけでなく、深い意味と歴史を持った伝統飾りです。
この記事では、節句人形アドバイザーの資格を持つ「人形屋ホンポ」代表・成嶋祐介が、「兜 鎧」の違いや意味、五月人形としての役割、そしてご家庭での選び方や飾り方まで、はじめての節句を迎えるご家族にもわかりやすくご紹介します。
▶︎成嶋祐介のプロフィールはこちら
兜と鎧の違いとは?
どちらも戦国時代において武士が身に着けていた重要な防具ですが、それぞれ守る部位や役割が異なります。
頭を守る「兜」
兜は頭部を守る装備で、戦場では敵の矢や刀から身を守る最前線の武具です。大きく目立つ前立(まえだて)や鍬形(くわがた)などの装飾は、武将の威厳や個性を表す象徴でもありました。
全身を覆う「鎧」
鎧は胸、肩、腰など体全体を覆う防具です。鉄や革、漆塗りなどの素材で作られ、日本独自の工芸的な美しさも備えています。力強さと高級感を兼ね備えた存在感が魅力です。
「兜 鎧」が五月人形になった理由
もともと戦の場で武士が自らの命を守るために身に着けていた「兜 鎧」。
これらの武具は、敵から身を守るだけでなく、武士の誇りや家を背負う覚悟、精神性を体現した装備でもありました。そうした武具が、やがて端午の節句に飾られる五月人形として親しまれるようになったのは、日本独自の文化背景と深い想いが関係しています。
江戸時代に入ると、武士階級の生活や価値観が徐々に庶民の間にも浸透し、「子どもが健やかに成長し、立派な大人になるように」という願いが込められた行事として、端午の節句が広まりました。
その中で、「命を守る」象徴である兜や鎧は、子どもを災いから守る守護の意味を持つようになり、節句飾りとして飾られるようになったのです。
また、当時の人々にとって「武士のように強く、誠実に育ってほしい」という思いも強く、武将の名前やその信念を冠した五月人形が登場するようになりました。伊達政宗や上杉謙信、徳川家康など、歴史に名を残す名将たちの兜や鎧を模したデザインは、現在でも変わらず人気があります。
このように、単なる飾りではなく、子どもを守り育てる“願い”と“祈り”が込められているのが、兜や鎧の五月人形なのです。
代表的な武将モチーフ
- 三日月の前立が印象的な「伊達政宗」
- 義を重んじた「上杉謙信」
- 天下統一を果たした「徳川家康」
それぞれの生き様や信念が兜や鎧に表現されており、お子さまの個性や願いに合わせて選ぶのも楽しいですよ。
「兜 鎧」どっちを選ぶ?
「兜 鎧 どっちがいい?」という疑問はよく聞かれます。実際には、それぞれに良さがあります。
兜飾りの魅力
- コンパクトで飾る場所を選ばない
- お手入れ・収納が簡単
- 価格帯も比較的手頃
鎧飾りの魅力
- 全身甲冑で存在感が抜群
- 装飾性が高く、芸術品としても価値あり
- 伝統的な日本美を感じられる
五月人形としての飾り方と手入れ
飾る時期と場所
4月上旬〜中旬に飾り始めるのが一般的。
直射日光や湿気を避け、リビングや玄関、飾り棚などに設置するのがおすすめです。
お手入れの基本
飾り終えたら柔らかい布でホコリを拭き取り、晴れた日に陰干ししてから保管します。湿気対策として乾燥剤や防虫剤を一緒に入れておくと安心です。
選ぶときのチェックポイント
- 設置スペースに合うサイズか?
- モダンデザイン or 伝統意匠か?
- フルセットか、最小限の構成か?
- 信頼できる作り手か?
商品ページでは「吉徳大光」や「久月」などの有名メーカーや、武将ごとの特集ページもチェックしてみましょう。
実際に店舗で見たり、画像や動画で比較したりするのもおすすめです。
まとめ|「兜 鎧」で彩る端午の節句
兜と鎧は、男の子の無事と成長を願う節句飾りとして長年愛されてきました。勇ましさと繊細な職人技が詰まった五月人形は、家族の思い出にも残る特別な存在です。
「兜・鎧の五月人形商品一覧はこちら」をご覧いただくと、人気の武将シリーズやコンパクトな飾りまで幅広くチェックできます。
▼▼兜や鎧の違いや選び方の詳細はこちら▼▼
